フォトエッセイ(野の花365日のミヤマヨメナより) |
「めずらしい」とまではいえないが「どこにでもある」ともいえない。意外なところでひょっこり出会ったりするのだが,意識して探そうと思うとなかなかない。私にとってミヤマヨメナの存在はそんな印象である。 分布が点々としていて,連続的ではないということも確かにいえるが,もうひとつは,この花が咲く頃は,気持ちが北国や亜高山帯に行ってしまい,この花が咲いているようなところになかなか足を運ばないのも大きな原因かもしれない。 数年前たまたま通りかかった沢沿いの林で見事な群生を見つけた。毎年のように,今年も行ってみたいと思うのだが,海外のツアーや高山への取材と勝ち合って果たせないでいる。
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【ひとくちメモ】 園芸品種,ミヤコワスレはミヤマヨメナの花色の濃いものを選別したもの。そのほか,ミヤマヨメナを大輪にした園芸品種も栽培される。
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【見わけ方】 ヨメナやノコンギクに似ているが,そう果(小花)に冠毛がまったくないのが大きな特徴。ほかのノギクの仲間は,基本的に秋咲きだが,暖かい地方では5-6月頃花を見ることもある。ミヤマヨメナは,5-6月が花期で遅くとも7月までしか花を見ない。 蛇紋岩地帯には,小型の変種シュンジュギクが生える。
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