3-3 ヌカキビ Panicum bisulcatum

  植物写真家というと、年中撮影して歩いているように見えるが、実は、写真を「売る」ためのマネージメントの時間もかなりのものだ。フィルムやデータの整理、原稿の執筆まで含めれば、撮影する時間をはるかに上回る。
 それでも春から夏は撮影を最優先させるが、秋から冬は机に縛りつけられる日が多くなる。そんな時でも、冷え込んで晴れあがった朝は逃せない。前夜から準備をして、日の出前に起き出し、以前から目をつけておいた休耕田に直行する。
 予想通り、平凡な草むらも、この朝ばかりは珠のような滴が一面に転がって輝いていた。


1995年10月4日 愛知県新城市 ペンタックスZ-1 タムロンSP180ミリF2.5 f4 オート プロビア100