6-1 ハマヒルガオ Calystegia soldanella

  里で春の花が一段落すると、砂浜がこの花でおおわれる。海岸に本格的な花の季節の到来を告げる花だ。
 里に咲くヒルガオやコヒルガオはやぶに絡まって咲くので、やや暑苦しい感じだが、このハマヒルガオは白い砂の上に蔓を伸ばすので、ずいぶん洗練された感じに見える。その点はずいぶん得をしているようだが、真夏には裸足では歩けないほど熱くなる砂の上に生きているのだから、そのくらいのメリットがあってもいいだろう。
 どこの海岸にも普通に見られる植物だが、この花で埋めつくされるようなところはだんだん少なくなってきている。海岸は、開発のターゲットになるという点でも、植物にとって厳しい環境だ。


1996年5月28日 愛知県渥美半島 ペンタックス645 SMC45mmF2.8 f11 オート(+1/3) プロビア100