7-6 霜の朝 Frosty Morning

  紅葉のピークが過ぎた頃、尾瀬に入山した。天の邪鬼だということもあるが、霜か雪が、紅葉のさめきらない尾瀬を覆うのを見たかったからだ。
 入山して二日目に雪、そして三日目に霜が降りた。あらかじめ考えていた場所に暗いうちに三脚を立て、日の出を待った。空が赤く焼けるのが池塘に写ったところを撮るつもりだったのだが、とりあえずほの暗いうちにシャッターを切っておく。
 このあと、思った通り、池塘には朝焼けの空が映えたのだが、現像した写真を比べてみると、日の出前のモノトーンの作品の方が、朝の冷気をよく伝えていた。


1996年10月18日 中田代 ペンタックスZ-1P FA★ズーム28〜70ミリF2.8 f8 オート(+1/3) プロビア100