1-5 キクザキイチゲ Anemone pseudo-altaica

  春の宿根草のなかでも、スプリング・エフェメラルという名が最も似つかわしいのが、このキクザキイチゲではないだろうか。キンポウゲ科のアネモネ属の仲間で、いわば和製のアネモネといったところだろう。
 カタクリと同じように太平洋側の地方では貴重品だが、雪国では至るところで見ることができる。普通は白花だが、新潟や山形には写真のように紫色の美しい花を咲かせるものも多く、華やかな感じがする。
 白花、紫花が、カタクリを交えて咲ききそうさまは、おもちゃ箱をひっくり返したように色とりどりで、思わず息を飲む。


1995年5月3日 新潟県佐渡 アサヒペンタックスZ-1 SMC28〜70ミリF2.8 f4