オオサンショウソウは,暖かい地方の湿り気のある日陰に生える目立たない野草。多くは雌雄異株で雄株は葉えきから花柄を立ててその先に雄花序をつける。雌株は葉えきにほとんど柄のない雌花をつける。ひとつ個体の先のほうに雄花,基部のほうに雌花をつける両性個体も見つかる。サンショウソウの仲間では,サンショウソウとともに比較的普通に見られる種。サンショウソウよりも大型で,葉先がとがるのが特徴。また,サンショウソウが茎に微細な毛状突起があるのに対してオオサンショウソウはほぼ無毛。またサンショウソウは,葉縁が鋸歯のところで盛り上がるようになるのに対してオオサンショウソウでは平坦。 【カレンダー・草木暦2025】いがりまさし作品集 【植物観察アプリ・万太郎フィールドノート】本格運用開始! 【げんのしょうこ花色リレー】全国のゲンノショウコの花色を一緒に調べましょう! オオサンショウソウ 雄株 2003年4月8日 宮崎県南那珂郡北郷町 alt.=64m 【漢字名】大山椒草 【花期】3 6月 【分布】本州(近畿,中国)・四国・九州・沖縄 【草丈】足首以下 すね【環境】山地・低山,森林・林縁 オオサンショウソウ 雄花。花被片は5枚。突起が長いのが特徴(宮崎県那珂郡北郷町) オオサンショウソウ 雄花側面(宮崎県東那珂郡北郷町) オオサンショウソウ 雌花序。花被片は無毛(宮崎県東臼杵郡北郷村) オオサンショウソウ 雌花序側面(宮崎県東臼杵郡北郷村) オオサンショウソウ 茎はほぼ無毛(宮崎県東臼杵郡北郷村) オオサンショウソウ 托葉(宮崎県南那珂郡北郷町) オオサンショウソウ 葉。よく似たサンショウソウと比べると先端がとがる(宮崎県東臼杵郡北郷村) オオサンショウソウ 葉表(宮崎県東臼杵郡北郷村) オオサンショウソウ 葉裏(宮崎県東臼杵郡北郷村) オオサンショウソウ 雌株 2003年4月7日 宮崎県東臼杵郡北郷村 オオサンショウソウ 両性株 2003年4月7日 宮崎県東臼杵郡北郷村 もっとくわしく⇒ 総合 拡大 詳細 比較 変異 群落 索引 検索 English Y listのオオサンショウソウ関連ページへ 図鑑jpのオオサンショウソウ関連ページへ フォトエッセイ(野の花365日のオオサンショウソウより) オオサンショウソウが生えるのは,早春の谷間などだが,ニリンソウやカタクリが咲くような明るい落葉樹林ではなく,もう少しうっそうとした照葉樹林帯の渓谷である。地域でいうと,東北や北海道にはなく,近畿地方から西にしかない。お世辞にも「きれい!」と歓声を上げられたりすることはないだろうが,短い柄をもたげてつける雄花などはなかなかすぐれた造形だと思う。ルーペを手にすると,雄花と雌花の構造の違い,また種による微妙な形態の違いが観察できる。科学的な眼を鍛錬するにもいい材料だが,同時に自然を見る審美眼も研ぎ澄まされる。 【ひとくちメモ】サンショウソウの仲間は種によって雌雄異株のものと同株のものがある。オオサンショウソウは同株とされる。しかし,雌花だけをつける個体が相当数あり,雄花をつける個体は雌花の数がごく少ない。これにより,不完全な雌雄異株と考えることもできる。 【見わけ方】サンショウソウの仲間は,日本に7-8種が知られている。オオサンショウソウと一番似ているのはサンショウソウだ。全体に小型で葉先がとがらない。また,葉を側面から見ると,葉の縁が鋸歯の先で反りあがるのがいい特徴。オオサンショウソウは次に書くように,雌雄同種ないしは不完全な雌雄異株だが,サンショウソウは完全な雌雄異株。詳しくはサンショウソウの仲間(会員のみ)へ。 オオサンショウソウと同じ属の仲間(サンショウソウ属) サンショウソウ キミズ アラゲサンショウソウ ヒュウガサンショウソウ ナガバサンショウソウ オオサンショウソウと同じ科の仲間(イラクサ科) ヤブマオ カラムシ メヤブマオ コアカソ アカソ ミズ アオミズ ラセイタソウ クサコアカソ ヒメウワバミソウ ウワバミソウ ムカゴイラクサ ミヤマイラクサ カテンソウ ミヤマミズ エゾイラクサ イラクサ ナガバヤブマオ ヤマトキホコリ コバノイラクサ チョクザキミズ Copyright (C) 2001-2024 / MASASHI IGARI / All Rights Reserved. Last update = 9.Sep.2003 【もう一度検索】 【植物検索TOP】 【撮れたてドットコムTOP】
オオサンショウソウ 雄株 2003年4月8日 宮崎県南那珂郡北郷町 alt.=64m
【漢字名】大山椒草 【花期】3 6月 【分布】本州(近畿,中国)・四国・九州・沖縄 【草丈】足首以下 すね【環境】山地・低山,森林・林縁