タネツケバナの仲間(完全編)

Group Cardamine Perfect

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タネツケバナ属から20種をまとめた。ここに扱われていない種としては、北海道のアイヌワサビ、ミヤウチソウ、タネツケバナの変種のミズタネツケバナ、帰化種のコタネツケバナなどがある。


ミツバコンロンソウ
Cardamine anemonoides

コンロンソウ
Cardamine leucantha

ヒロハコンロンソウ
Cardamine appendiculata

ミヤマタネツケバナ
Cardamine nipponica

ミズタガラシ
Cardamine lyrata

アイヌワサビ
Cardamine yezoensis

タカチホガラシ
Cardamine kiusiana

オオケタネツケバナ
Cardamine dentipetala

ニシノオオタネツケバナ
Cardamine dentipetala var. longifurcta

オオバタネツケバナ
Cardamine scutata

コシジタネツケバナ
Cardamine niigatensis

エゾワサビ
Cardamine yezoensis

オオマルバコンロンソウ
Cardamine arakiana

マルバコンロンソウ
Cardamine tanakae

タネツケバナ
Cardamine flexuosa

タチタネツケバナ
Cardamine flexuosa var. fallax

エゾノジャニンジン
Cardamine schinziana

ジャニンジン
Cardamine impatiens

ハナタネツケバナ
Cardamine paratensis

ミチタネツケバナ
Cardamine hirsuta


花序

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花序

花序につく花の数は数個とごく少ない。
花序は比較的密でボール状になる。
花序はややまばら。
花は大きいが、花序の花数は多くない。
花序はまばら。
花序はやや密。
花序はやや密。
花序はやや密。
花序はやや密。
花序はやや密。
花序はやや密。
花序は密。
花序はまばら。
花序はまばら。
花序はややまばら。
花序はややまばら。
花序はやや密。
花序は著しく密。
花序はまばら。花の色は淡紅紫色〜白色。
花序はまばら。長角果が直立する。

茎葉

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茎葉

3小葉で小葉は長披針形。
5-7枚の羽状複葉。小葉は披針形で先は鋭くとがる。小葉は同形同大。
5-7枚の羽状複葉。小葉は卵形〜卵状披針形で先は鈍形。小葉は同大同形。
羽状複葉。小葉は卵形から卵状披針形。
羽状複葉。頂小葉が大きい。
羽状複葉。頂小葉と側小葉の大きさはほぼ同じ。小葉柄はごくわずか。
羽状複葉。頂小葉と側小葉の大きさはほぼ同じ。小葉柄は明瞭。下部茎葉の小葉基部は切形。
羽状複葉。頂小葉が大きく、下部茎葉の側小葉基部はくさび形で小葉柄に続く。側小葉は多少とも切れ込む。
羽状複葉。頂小葉が大きく、下部茎葉の側小葉基部はくさび形で小葉柄に続く。側小葉は多少とも切れ込む。
羽状複葉。頂小葉が大きく、下部茎葉の側小葉基部はくさび形で小葉柄に続く。側小葉は全縁。
単葉、3小葉、5枚の羽状複葉。頂小葉は円形から三角状楕円形で大きい。切れこみはほとんどない。
普通単葉〜3小葉。頂小葉は円形から三角状楕円形で大きく、鋭く切れ込むこともある。
普通3小葉。小葉には小葉柄があり、下部茎葉の小葉は円形で基部が心形になる。大きな個体では羽状複葉の葉が出ることもある。
普通3-7枚の羽状複葉。下部茎葉の小葉は円形で基部が心形になる。痩せた個体では3小葉の葉ばかりになることもある。
羽状複葉。頂小葉は側小葉よりわずかに大きい、側小葉は長楕円形〜長披針形。
羽状複葉。小葉は細かく切れ込む。
羽状複葉。小葉は細かく切れ込む。
羽状複葉。小葉は細かく切れ込むものもあるが、ほとんど切れ込まず卵状楕円形のものもある。
羽状複葉。小葉は線形。
羽状複葉。頂小葉は側小葉よりわずかに大きい。

長角果

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長角果

無毛。
無毛。
無毛。
無毛。
無毛。
無毛。
無毛。
普通有毛だが、無毛のこともある。
無毛。
無毛。
無毛。
無毛。
無毛。
有毛。
無毛。
無毛。
無毛または有毛。
普通無毛、有毛のこともある。
無毛。
無毛。

茎と葉柄のつけね

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茎と葉柄のつけね


無毛。付属体はない。
無毛。付属体がある。
無毛。付属体はない。
無毛。付属体はないが、1対の側小葉が葉柄の基部につき、茎を抱く。
無毛。付属体はない。
無毛。付属体はない。
有毛。付属体はない。
ほとんど無毛。付属体はない。
普通無毛。付属体はない。
無毛。付属体はない。
無毛。付属体はない。
散毛がある。付属体はない。
毛が密生する。付属体はあるものとないものがある。
普通有毛。付属体はない。
有毛。付属体はない。
無毛。付属体はない。
普通無毛。付属体がある。
無毛。付属体はない。
普通茎は無毛だが、葉柄のつけねに散毛がある。付属体はない。

分布
関東以西〜九州。山地の林下。
北海道〜九州。山地、人里、原野の湿り気のあるところ。
本州。山地の流水のほとりなど、湿ったところ。
北海道、本州中部以北の高山帯。
本州(関東以西)〜九州。水田の周辺など人里の湿地。
北海道,岩手県。
九州特産といわれていたが、四国からの報告もある。山地の流水のほとり。
本州の北部や日本海側。山地の湿り気のある林の縁。
近畿以西〜九州北部。山地の湿り気のある林の縁。オオケタネツケバナとは連続する。
北海道〜九州。主に山地の谷川のほとりや湿地。
新潟県。清水の湧きだしているような山地、山間の耕地周辺の斜面。
北海道、本州北部。山地の湿地。
本州(近畿以西)〜九州。山地の半陰地。
本州〜九州。山地のやや湿り気のある林下。
全国。湿り気のある耕地周辺など。
北海道〜九州。山地の乾いた荒れ地、林縁。
北海道日高地方特産。山地の流水のほとり。
北海道〜九州。山地の乾いた荒れ地、林縁。
北海道東部。湿原。
帰化植物。都市や人里の乾き気味の路傍。
分布
同定のポイント
小葉の細長い3小葉を持つタネツケバナ属は、本種のほか北海道の北部に稀に産するミヤウチソウだけ。ミヤウチソウの花は淡紅紫色なので、白色の本種と、この点でも見まちがえることはない。
ヒロハコンロンソウとともに、小葉が同形同大で、大型の種。ヒロハコンロンソウとは、小葉の形もちがうが、葉柄の基部の付属体がない点も顕著な特徴。
コンロンソウとともに、小葉が同形同大で、大型の種。コンロンソウとは、小葉の形もちがうが、葉柄の基部の付属体を持つのが顕著な特徴。
高山に生えるタネツケバナの仲間。普通は茎が立ち上がらないことで確定できるが、風当たりの弱いところでは立ち上がり、タネツケバナに似てくることがあるが,タネツケバナは茎が有毛なので見わけられる。本種は無毛。
花期から花後、根本から匐枝を出すのが大きな特徴だが、もうひとつの特徴は、葉柄の基部に1対の側小葉があり、基部を抱くこと。この特徴を持つ種はタネツケバナ属中ほかにない。
亜高山帯の沢沿いに生え,頂小葉と側小葉の大きさが等しい複葉がポイント。エゾワサビは3小葉か羽状になる場合も頂小葉が大きい。中部山岳には小型のオクヤマガラシがあり,本種の変種に位置づける見解もある。
ニシノオオタネツケバナなどに似ているが、小葉が同じ大きさであることが識別ポイントになる。また、ニシノオオタネツケバナは小葉の基部がくさび形になって葉柄に続くが、本種では切形になって小葉柄との境は明瞭。また、近縁と見られる中部地方のオクヤマガラシ、北海道のアイヌワサビとは、小葉柄が明瞭なことで識別する。
オオバタネツケバナに似ているが、花も草丈もひとまわり大型で、側小葉に多少とも切れこみがある点がいいポイントになる。多くは、普通、長角果や茎に毛が出ることも目安になる。
オオケタネツケバナの変種で、長角果に毛の出ないもの。近畿以西はこのタイプになるが、中間型もある。
タネツケバナに似ているが、普通ほとんど毛がなく、頂小葉が目だって大きいことで識別できる。上記のように、生育環境も微妙にちがう。また、タネツケバナが越年草であるのにたいして、多年草。しかし、ミズタネツケバナと呼ばれるものを含めて、識別不能と思える個体に出会うこともある。
新潟県に分布が限られる。オオバタネツケバナに似ているが、ひとまわり大型で、葉は単葉から3小葉がほとんどで、稀に羽状になる。
頂小葉の大きな3小葉〜単葉が重要なポイント。コシジタネツケバナに似ているが、分布が離れている。茎の下部が倒れて発根し、新しい株を作る性質が強い。
稀な種類。葉は普通3小葉で、下部の小葉は円形で基部が心形になる。マルバコンロンソウの痩せた個体と似ているが、長角果に毛がない点で見わけられる。
小葉が丸く、茎や長角果などに毛を密生するのが特徴。
人里周辺の耕地に最も普通の種。マルバコンロンソウ、ミチタネツケバナ、変種のミズタネツケバナ、タチタネツケバナなどとの識別は注意を要する。それぞれの欄に詳述する。
一見、ジャニンジンに似ているが、葉柄の基部に付属体がない点で見わけられる。タネツケバナの変種で、タネツケバナとの中間型もある。
一見、ジャニンジンに似ているが、葉柄の基部に付属体がない点で見わけられる。
細かく切れ込んだ葉、葉柄の基部の付属体、このふたつを確かめれば本種と確定していい。付属体を持つのは、この属ではほかに、マルバコンロンソウヒロハコンロンソウだけ。
最近まで分布が未確認だった種。花が淡い紅紫色を帯び、小葉は線形で小さい。分布は道東の数ヶ所に限られる。
最近増えてきた帰化植物。タネツケバナに似ているが、長角果が直立し、花を取り囲むようになる。ほとんど無毛だが、葉柄の基部や葉の縁などにごくわずかな毛が出るのも、いい特徴。
同定のポイント

ミツバコンロンソウ
Cardamine anemonoides

コンロンソウ
Cardamine leucantha

ヒロハコンロンソウ
Cardamine appendiculata

ミヤマタネツケバナ
Cardamine nipponica

ミズタガラシ
Cardamine lyrata

アイヌワサビ
Cardamine yezoensis

タカチホガラシ
Cardamine kiusiana

オオケタネツケバナ
Cardamine dentipetala

ニシノオオタネツケバナ
Cardamine dentipetala var. longifurcta

オオバタネツケバナ
Cardamine scutata

コシジタネツケバナ
Cardamine niigatensis

エゾワサビ
Cardamine yezoensis

オオマルバコンロンソウ
Cardamine arakiana

マルバコンロンソウ
Cardamine tanakae

タネツケバナ
Cardamine flexuosa

タチタネツケバナ
Cardamine flexuosa var. fallax

エゾノジャニンジン
Cardamine schinziana

ジャニンジン
Cardamine impatiens

ハナタネツケバナ
Cardamine paratensis

ミチタネツケバナ
Cardamine hirsuta


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