コマクサほどよく知られた高山植物もないだろう。高山植物といえば,真っ先にこの花の名前を挙げる人が多いのではないだろうか。気品といい生える場所の厳しさといい,高山植物の女王の名にふさわしい花である。 しかし,特別めずらしい植物というわけではなく,高山帯で礫地のある山なら自生しているところは多い。 少し登山道を歩く気になれば,登山家でなくとも目にすることは夢ではない。 大雪山では高山蝶のウスバキチョウの食草として有名。 ケシ科に属するが,日本の野生種では,ほかに似た植物はないといってもいい。
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【漢字名】駒草
【花期】7 8月 【分布】北海道・本州(東北,関東,中部) 【草丈】足首以下 足首 【環境】高山・亜高山
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コマクサ 花正面(秋田県秋田駒ヶ岳) |
コマクサ 花側面。この形が馬の横顔に似ているのでこの名がある(秋田県秋田駒ヶ岳) |
コマクサ 葉(秋田県秋田駒ヶ岳) |
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コマクサ ほかに何も生えないような礫地に群落をつくる 1994年7月20日 北海道大雪山
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コマクサ 各地で時々見られる白花品 1995年7月9日 北海道知床半島
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フォトエッセイ(野の花365日のコマクサより) |
夏山のハイシーズン,しかも週末ともなれば,中部山岳の有名どころでは人でごった返す。クモマスミレを見に燕岳に行ったのだが,この日はそれに加えて,女子高生の集団登山にぶつかってしまった。 燕山荘は11年ぶりの混雑だということで,畳1畳に3人が寝るという殺人的な状態だった。大きな要因は女子高生の集団登山とはいっても,もちろん女子高生と畳1畳に寝るわけではない。 ろくに寝返りも打てず,うとうとするかしないかのうちに,短い夏の夜は白みはじめた。トイレにいったはいいが,帰ってくるともう寝る場所がなくなっている。仕方ないので暗いうちから撮影に出た。 日が昇ると槍ヶ岳が輝き始め,足元には所狭しとコマクサが咲いていた。
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【見わけ方】 ケシ科の植物だが,日本には同属の植物はない。園芸植物のケマンソウDicentra spectabilisが同じ属の植物。
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