ヤエムグラは,全国の道端に見られる雑草。別名,勲章草。幼い頃この草で勲章を作った思い出を持つ人も多いのではないだろうか。多くは秋に芽生え冬を越し,春に花を咲かせる越年草だが,一年草として生活する個体もあるという。茎や葉,そして果実にも曲がった刺がある。茎や葉の刺はほかの植物によっかかって立ち上がり,効率よく光合成をするため,また,果実の刺は,動物にくっついて効率よく分布をひろげるためのもの。よく似たものにオオバノヤエムグラがあるが,林の中に生え,刺が少なく,花はより一層小さくて細かい花柄の先につく。また葉は4-6枚と本種より少なめ。花期も盛夏になる。古今集など古い詩歌に歌われている八重葎とはは,カナムグラのことを指していることが多い。 【カレンダー・草木暦2025】いがりまさし作品集 【植物観察アプリ・万太郎フィールドノート】本格運用開始! 【げんのしょうこ花色リレー】全国のゲンノショウコの花色を一緒に調べましょう! ヤエムグラ 2003年4月19日 愛知県豊橋市 alt.=16m 【漢字名】八重葎 【花期】4 6月 【分布】日本全土 【草丈】足首以下 ひざ【環境】人里・田畑,河原・渓流,原野・草原 ヤエムグラ 花は単黄緑色で目立たない(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 果実は二つ一組の分果で曲がった刺が生える(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 茎には4稜があり下向きの刺が生える(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 葉は6-8枚が輪生する(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 葉表(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 葉裏(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 冬の間は霜に打たれて紅葉する(愛知県豊橋市) ヤエムグラ 咲き始めの個体 2017年4月17日 愛知県名古屋市 もっとくわしく⇒ 総合 拡大 詳細 比較 変異 群落 索引 検索 English Y listのヤエムグラ関連ページへ 図鑑jpのヤエムグラ関連ページへ フォトエッセイ(野の花365日のヤエムグラより) 別名,勲章草。春の盛りの頃ちょっと暑苦しく薮を占拠する緑濃い雑草である。葉の裏や茎に微細な刺があり,それで衣服にくっつくので,子供の勲章遊びにはもってこいだった。しかし,この刺,彼らヤエムグラにとっては,本来薮のほかの植物やまた仲間の別の茎と絡み合いはいのぼり,春の光を一身に浴びるための生活の道具である。冬の田の隅をよく探すと,春の頃とはちょっと想像もつかぬ様子で紅をさしたヤエムグラが見つかる。暖かくなると一気に走り出せるように,薮が夏草に覆われてしまう前に十分光を浴び種子をこぼすことができるように,冬のさなかも眠らずにじっと葉を広げて春を待っている。 【ひとくちメモ】現在ではヤエムグラという和名は一般にこのアカネ科の植物を指すが,百人一首に出てくる恵慶法師の「八重葎 しげれる宿の さびしさに 人こそ見えね秋は来にけり」の八重葎はクワ科のカナムグラを指しているといわれている。 【見わけ方】アカネ科には似た植物が多いが,ヤエムグラはもっとも普通に見られるもの。春の盛りに目立たない淡黄色の花を咲かせる。ヨツバムグラは葉が4枚輪生,クルマムグラは林の中に生え花が白いので識別できる。オオバノヤエムグラはよく似ているが,山地の林の中に生え,花期は夏になり,花序の枝が長く刺も少ない。 ヤエムグラと同じ属の仲間(ヤエムグラ属) ヒメヨツバムグラ キバナカワラマツバ エゾノヨツバムグラ キクムグラ キヌタソウ ハナムグラ ヤエムグラと同じ科の仲間(アカネ科) ヤイトバナ オオフタバムグラ サツマイナモリ イナモリソウ シロバナイナモリソウ イリオモテソウ ナガバイナモリ Copyright (C) 2001-2024 / MASASHI IGARI / All Rights Reserved. Last update = 11.Sep.2003 【もう一度検索】 【植物検索TOP】 【撮れたてドットコムTOP】 このページへのダイレクトリンク歓迎です メールアドレスを登録すると、全機能が使えるようになり、撮れたてドットコムからさまざまな情報を受け取れます。【いますぐ登録】
ヤエムグラ 2003年4月19日 愛知県豊橋市 alt.=16m
【漢字名】八重葎 【花期】4 6月 【分布】日本全土 【草丈】足首以下 ひざ【環境】人里・田畑,河原・渓流,原野・草原