4-3 フギレオオバキスミレ Viola brevistipulata var. laciniata

  北海道の南西部を中心に分布するオオバキスミレの変種で、葉に大きな切れ込みが入るのが特徴である。
 スミレなど、春の野草の咲いているところは、ヒグマにとってもよい餌場だという。歩いていればザックにつけている鈴が鳴るし、撮影中はラジオを鳴らしておくこともできる。ところが、この写真を撮った場所は沢沿いの斜面なので、雪解け水の音で両方ともかきけされて全く役に立たなかった。
 この時はヒグマの痕跡を見たわけではなかったのに、とにかく恐かったことばかりが記憶にある。そして、数年後、同じ場所でヒグマの糞を見た。


1991年5月19日 北海道長万部町 キャノンF-1 タムロンSP180ミリF2.5 f8 1/2 ベルビア