ホーム > 野の花365日 > その日の花 2月1日 Viola arborescens
|
|
|
|
Viola arborescens |
|
スミレといえば小さな草本のイメージなので,「木のスミレ」と聞くとだれもが驚く。まあ,木とは言ってもこのスミレの場合は低木で,草と樹木の間のような感じではある。 本格的な木のスミレは,南米やハワイに多いが,ヨーロッパではこのスミレがほとんど唯一の木本の種だ。 地中海沿岸地方の乾燥した原野に生える。小さな株は地面に這って花を咲かせているが,大きなものは,ほかの低木の根元から長い茎を伸ばして,その上に顔を出して花を咲かせている。 Shuraby Violetとも呼ばれる。 【見わけ方】ヨーロッパには100種ほどのスミレが自生するが,ほとんどは日本のスミレのような草本で,栽培されるパンジーの原種も含まれる。 Viola arborescensを見たのはポルトガル南部の海岸だったが,数日間いろいろなところを歩いても,ほかのスミレはまったく見ることがなかった。 ヨーロッパでも紛らわしいような種類はないようだ。 【ひとくちメモ】撮影したのは2月24日だが,フランスの知人に聞いたところ,8月や11月に咲いていたこともあるそうだ。日本でも南西諸島の植物は,一年中花を咲かせているものが多いが,このスミレの花期もほぼ一年中で,降水量などによって同じ季節でも年によっては咲いていないこともあるらしい。 |
|
||
|