ホーム > 野の花365日 > その日の花 2月23日 ムカゴネコノメソウ
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ムカゴネコノメソウ (ユキノシタ科) Chrysosplenium maximowiczii |
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春雨のそぼ降る中,渓流の河原に下りてみたら,やっとハナネコノメソウとこのムカゴネコノメソウが咲き始めたところだった。ヨゴレネコノメソウはまだつぼみ。あたりの林では,キブシとミツマタぐらいしか咲き始めているものはない。 ムカゴネコノメソウのところで,ネコノメソウの仲間は日本に種類が多いと書いたが,分布の限られている特殊な種も多い。ムカゴネコノメソウは,神奈川県から静岡県に分布が限られている種で,分布は狭いが分布域ではそれほどめずらしいものではない。最大の特徴は,地下にストロンを伸ばし,その先にむかごをつけることである。 ムカゴネコノメソウの萼裂片は,春色と呼ぶにはあまりにも控えめな黄色であるが,ひそやかに始まる落葉樹林の春にふさわしいやわらかい色である。 【見わけ方】地下にできるむかごをのぞくと,特徴のないネコノメソウのようにも見えるが,意外によく似た種類は見つからない。一度覚えてしまえば簡単に同定できる種である。 むかごのほかは,直立する淡黄緑色の萼裂片。黄色い葯。黄色も褐色も帯びない苞葉と葉。ごくまばらなくきの毛などが主な特徴である。 詳しくはネコノメソウの仲間(完全編)(会員のみ)へ。 【ひとくちメモ】種小名maximowicziiは日本の植物によく使われるが,これはロシアの植物学者マキシモヴィッチにちなむ名。極東ロシアや日本の植物の研究に大きな成果を残している。ネコノメソウの場合は,フランス人の植物学者フランシェがマキシモヴィッチを記念してつけた名前。 |
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