ホーム > 野の花365日 > その日の花 3月7日 Lathraea clandestina
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Lathraea clandestina |
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地面から紫色の鷹の爪が出ている。この植物を見たときにそう思った。 ヤナギやポプラの根に寄生する寄生植物で,葉緑素をまったく持たない。ヤマウツボと同じ仲間に入る。 英名ではPurple Toothwortと呼ばれるらしい。しかし,Toothwortをキーにいろいろ調べてみると,どうやらまったく違うふたつの植物を指しているらしいことがわかった。ひとつは,このヤマウツボの仲間だが,もうひとつはタネツケバナの仲間である。 イギリスの植物仲間に聞いてみると,イギリスではヤマウツボ,アメリカではタネツケバナの仲間を指すということだ。正確にはCardamine属に近縁なDentaria属の総称ということになる。これはラテン名も「歯」にちなんだ名前だが,根の節が歯に似ているということらしい。 日本の植物にも同じ名前が2種類の植物を指すことがあり混乱する。たとえばホトケノザやヤエムグラ,ユキワリソウなどがそうである。アメリカ,オセアニア,イギリスと広い地域に渡って使われる英語の場合には,こういった交錯もより起こりやすいのかもしれない。 【見わけ方】日本の近縁の植物というとヤマウツボということになるが,日本のヤマウツボは茎が地上にたちあがり,その茎に花をつけるので,ずいぶん違った印象である。 【ひとくちメモ】このほかに,英名が地域によって別の名前を指す例。 Blue-bell(ブルーベル) Campanula属(ホタルブクロの仲間) イングランド Hyathince属(ヒアシンスの仲間) スコットランド Sycamore(シカモア) Platanus属(プラタナス属) アメリカ Acer pseudoplatanus(セイヨウカジカエデ) ヨーロッパ |
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