ホーム > 野の花365日 > その日の花 3月21日 Hepatica nobilis
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Hepatica nobilis |
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ミスミソウは園芸界では「雪割草」と呼ばれ,和風の鉢で栽培されいかにも日本の植物然としている。しかし,そっくりなものがユーラシアの温帯広範囲に分布しており,北米にも近縁種があることをご存じだろうか。 特にヨーロッパのものは見た目にはそっくりで,分類についても,まったく同一のものとみなす説から,同じ種内の変種として分類する説,それぞれ独立した種としてみなす説など,さまざまな見解がある。 私がイタリアで見たものに限って言えば,唯一顕著な違いは,日本ではめずらしい青紫色のものばかりだということだろうか。 ここには,クロッカスやクリスマスローズなど日本では見られない植物も多かったが,一方で,カタクリやアネモネ,そしてコリダリスの仲間なども日本のものとそっくりでびっくりした。 とかく,日本に紹介される外国の植物は,日本にないものが強調されるが,実際には遠く離れた地域にも共通点が多く,自分の足で歩いてみることの意味をあらためて確認する思いだった。 【見わけ方】Hepatica属は世界で8種ほどが分布する。本サイトでは,ヨーロッパのものvar. nobilisと,北東アジアの大陸にあるものvar. asiatica,そして日本のものvar. japonicaをすべてHepatica nobilisという種内の変種と認める見解を採用している。 【ひとくちメモ】このほか,ルーマニアの石灰岩地帯にはHepatica transsylvanicaという種がある。 |
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