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10月31日[その日の暦]

 
   Heteropappus meyendorffii

9月の沿海州でのことである,ハンカ湖畔の砂地で見覚えのある野菊を見つけた。日本の関東地方の河原に生えるカワノギクである。調べてみると,ロシアではHeteropappus meyendorffiiという名で標本庫に収められている。
カワラノギクは洪水が起きると攪拌されるような河原に生えるが,Heteropappus meyendorffiiの生えているのはハンカ湖畔の砂地。「ハンカ低地」と呼ばれるように,降水量は少ないがひとたび大雨が降ると,水にひたる原野だ。7月にはノハナショウブが海水浴のような状態になることがあると,ロシアの学者が教えてくれた。河原ではないが,環境としてはきわめて似ている。
カワラノギクとHeteropappus meyendorffiiがまったく同じものかどうかは,まだはっきりしていないが,少なくともごく近縁の種にちがいない。カワラノギクは日本特産といわれていたが,そのルーツは,ヤマジノギクなどと同じように,中国東北部から沿海州の大陸にあると考えていいだろう。
日本では河原にしか生えていないのは,むしろ森林の国日本には河原ぐらいしか彼らが住めるような環境がなかったと考えるのが自然なのではないだろうか。


2001年9月9日 ロシア沿海州 
ペンタックスZ-1P FA★ズーム28〜70mmF2.8 f11 絞り優先オート フジクローム・プロビア100


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