ホーム > 野の花365日 > その日の花 11月3日 ヤナギノギク
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ヤナギノギク (キク科) Aster hispidus var. leptocladus |
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ヤナギノギクは,ヤマジノギクの変種である。葉や茎が紫色を帯び,頭花が小さく冠毛も短めだ。全体にやせたヤマジノギクに見える。蛇紋岩地帯にその分布は限られている。ヤマジノギクが蛇紋岩地帯に適応して変化したものだと考えられている。 分布は高知県と愛知県。高知県には蛇紋岩地帯以外でもヤマジノギクを目にすることが時々あるが,愛知県では蛇紋岩地帯にヤナギノギクがあるだけで,それ以外,ヤマジノギクもほとんど見当たらない。 ヤマジノギクは大陸との共通種で,西日本に多く自生している。静岡県付近が自然分布の東限にあたる。おそらく,日本列島がより乾燥していた気候の時には,ヤマジノギクはもっと東まで分布を広げていたにちがいない。 愛知県のヤナギノギクは,周囲のヤマジノギクが絶滅してしまったあとも,蛇紋岩地帯に逃げ込んで形を変えながら生き長らえた系統だと考えることができる。 |
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