ホーム > 野の花365日 > その日の花 1月24日 ナニワズ
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ナニワズ (ジンチョウゲ科) Daphne kamtschatica ssp. jezoensis |
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多くの人と違うことをするのを生きる糧にしている人がいる。ナニワズは樹木の中ではそんなあまのじゃくの部類に入るだろう。 雪国の林内に生える落葉低木だが,早春花を咲かせるときには,一見常緑樹のように越冬した葉をつけている。 しかし,図鑑を引くと落葉低木と書いてあることもある。この木が葉を落すのは多くの木と反対に夏である。盛夏のころ眠りにつき,秋になるとおもむろに新葉を展開するのである。稼ぎ時は秋,多くの落葉樹が葉を落としてから初夏の頃までである。 日本の普通の落葉樹林は夏緑林であるが,乾燥地帯には,乾季に葉を落す雨緑林という森がある。ナニワズは多雪地帯に生える樹木なので,雪のある間に主に葉を広げると言う意味で,いわば「雪緑林」をなしているという言い方ができるかもしれない。 真冬はともあれ,晩秋のしぐれや早春の雪どけ水など冬の間に活動するためには,雪国ならではの冬の降水が欠かせない要素だからではないだろうか。 【見わけ方】分類には諸説があり,オニシバリの亜種とする説,独立種とする説があるが,本サイトではカラフトナニワズの変種に位置づけるする説を採用している。 オニシバリはそっくりな種だが,葉が細く,萼裂片が萼の筒部に比べてはるかに短く1/2分ぐらい。 【ひとくちメモ】ナニワズやオニシバリは雌雄異株といわれるが,いずれの株も両性花があり「はっきりしない雌雄異株」と表現してある図鑑もある。 この点の観察は石川の植物に詳しい。 |
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