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1月28日[その日の暦]

 
   サバノオ (キンポウゲ科) Dichocarpum dicarpon

苔むした九州の深山はどことなく純日本的な雰囲気がある。北海道や新潟の深山と比べると,そこに咲く花の風情も,抑制の効いた大人びた美しさである。いたずらに華美でなく,必要以上に大きくなく,静かに,なかば申しわけなさそうに下を向いて花を咲かせる。
自然が人間の文化を真似しているように思えるのはむろん錯覚で,実は人間の文化がその土地の自然に大きく影響されているのだろう。こういった自然が「控えめ」を尊ぶ文化の根底にある。
サバノオは日本でも九州の山にしか生えない。どこにでもあるわけではないが,自生しているエリアだったら,そう苦労せずともお目にかかることができる。
ただし,小さな花でしかも日があたらない日は下を向いて花を開かないので,咲いていてもうっかりすると見過ごしてしまう。

【見わけ方】
四国や近畿地方には,よく似たサイコクサバノオがある。
花の白い部分は萼片で,花弁はしべのように見えるオレンジ色の部分だが,従来の図鑑にはここの形が検索のキーとして書かれていることが多い。しかし,この部分を確認するのはルーペでも大変だ。
九州にはサイコクサバノオはないので,生えているエリアだけでも判断できるが,ほかにも萼片の裏側の条の入り方や,花弁の色など,簡単に見わけられるポイントもある。サバノオは萼片の裏側の条が繊細で,花弁の色はオレンジ色。サイコクサバノオは条が太く,花弁は黄色。
詳しくはシロカネソウの仲間(会員のみ)へ。

【ひとくちメモ】
和名は果実の形が鯖の尾に似ていることから。
2003年4月14日 大分県玖珠郡
キャノンEOS-1Ds  タムロンSP90mmF2.8 f5.66 絞り優先オート(-0.5)  1/ 64秒 ISO100 AWB sRGB


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