ホーム > 野の花365日 > その日の花 2月4日 ミスミソウ
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ミスミソウ (キンポウゲ科) Hepatica nobilis var. japonica |
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スプリング・エフェメラルという言葉は,春のはかなきものという意味で,早春の一時期に花を咲かせ,夏を待たずに地表から姿を消してしまう多年草の植物を指す。カタクリやキクザキイチゲ,昨日のセツブンソウなどが典型的なスプリング・エフェメラルだろう。 ところが,ミスミソウは早春の花には違いないが,一年中地表から姿を消すことがない。冬の間も傷んだ葉を広げ続け,花の頃にはまだ昨年の葉が残っている。花が終わると間もなく,古い葉は枯れ落ち新しい葉に切り替わる。 カタクリなどは一年のうち数か月しか働かないデカンショ型植物だが,ミスミソウはカタクリが眠っている間もずっと光合成を続けている働き者といえるかもしれない。 新潟県から西の本州に分布するが,日本海側のものは色の変化が多く,同じ所にさまざまな花色変わりが混生していることが多いが,太平洋側は,普通,白一色である。 【見わけ方】葉の角がとがらないものをスハマソウ,またさらに毛の多いものをケスハマソウとわける見解もあるが,ほかに顕著なちがいは見当たらず,最近ではあまりこの見解は採用されない。また,日本海側のものをオオミスミソウとして分ける説もある。 【ひとくちメモ】園芸上の名はユキワリソウ。花に変異が多いことからマニアの収集の対象になり,自生地では一時大量に盗掘されたという。残念ながら,日本海側の地方でも,現在では保護されている自生地以外では,本格的な群落を見ることは難しくなっている。 |
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