ホーム > 野の花365日 > その日の花 2月14日 オオイヌノフグリ
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オオイヌノフグリ (ゴマノハグサ科) Veronica persica |
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地中海原産のれっきとした帰化植物だが,これほどまでに日本の自然になじんでいるものは少ないかもしれない。花の色のブルーは日本の野草らしからぬ色なのにちょっと不思議である。 近縁の在来種イヌノフグリは,現在ではすっかり稀な野草だ。私の世代にとっては,気がついたときにはほとんどイヌノフグリは見られなかったので,昔はどのくらい普通に見られたものか知らない。しかし,近縁で同じような環境を好む外来種が在来種を席巻してしまうことは,ほかにも例がある。 現在イヌノフグリが残っている環境は,古い石垣などが多く,それも半日陰になるようなところが多い。オオイヌノフグリにいい場所を占領されてしかたなくそんなところで生き永らえているのだろう。 オオイヌノフグリを見ていると,とてもそんなふうには見えないが,植物の世界の生存競争には情け容赦など入り込む余地はない。 【見わけ方】在来種のイヌノフグリは淡紅紫色で花がひとまわり小さい。オオイヌノフグリと同じように帰化植物のフラサバソウは,萼が大きく花冠と同じか長い。果実はごろっとしている。 【ひとくちメモ】イヌノフグリは犬の睾丸のことで,果実の形が似ていることから。オオイヌノフグリの果実でも十分似ているが,イヌノフグリの果実を見るとさらに納得する。また,犬も洋犬より日本犬のほうがよく似ている。 |
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