ホーム > 野の花365日 > その日の花 2月15日 Crocus vernus
|
|
|
|
Crocus vernus |
|
ベニスで行われた国際スミレ交流会が終わったあと,イタリア北部のフィールドを歩いてみた。まだ3月初めのことなので,あまり期待はしていなかったが,北イタリアの春の花は意外に早かった。 なだらかな丘陵地帯に葡萄畑が広がり,ところどころ落葉樹林が点在する。その雑木林の縁には,クリスマスローズの仲間Helleborosや黄色いサクラソウPurimulla vulgaris,そしてニオイスミレに似た白花のスミレViola albaなどが花盛りだった。 中でも目を引いたのがこのクロッカスCrocus vernusの群生である。同じ種ばかりの群生だが,たいていは紫花と白花が混じっている。日本にも同じようなクロッカスは花壇に植えられているが,雑木林の中で見るものは,それとは比較にならないほど輝いて見えた。 【見わけ方】Crocus属はアヤメ科の多年草で中近東から地中海にかけて,約80種ほどが知られているという。サフランはもともとこのCrocus属の1種Crocus sativusの花支柱を集めて乾燥させたものを指していたが,後に植物そのものの呼び名になった。乾燥サフランは,薬品,香料,薬味,染料などに使われ,中世ヨーロッパでは大変貴重なものとして特別視されていたようだ。 【ひとくちメモ】Crocusの語源はギリシャ語で糸を意味するkrokos。糸状の花柱に由来する。 |
|
||
|