ホーム > 野の花365日 > その日の花 2月18日 オオサンショウソウ
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オオサンショウソウ (イラクサ科) Pellionia radicans |
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オオサンショウソウが生えるのは,早春の谷間などだが,ニリンソウやカタクリが咲くような明るい落葉樹林ではなく,もう少しうっそうとした照葉樹林帯の渓谷である。地域でいうと,東北や北海道にはなく,近畿地方から西にしかない。 お世辞にも「きれい!」と歓声を上げられたりすることはないだろうが,短い柄をもたげてつける雄花などはなかなかすぐれた造形だと思う。 ルーペを手にすると,雄花と雌花の構造の違い,また種による微妙な形態の違いが観察できる。科学的な眼を鍛錬するにもいい材料だが,同時に自然を見る審美眼も研ぎ澄まされる。 【見わけ方】サンショウソウの仲間は,日本に7-8種が知られている。オオサンショウソウと一番似ているのはサンショウソウだ。全体に小型で葉先がとがらない。また,葉を側面から見ると,葉の縁が鋸歯の先で反りあがるのがいい特徴。オオサンショウソウは次に書くように,雌雄同種ないしは不完全な雌雄異株だが,サンショウソウは完全な雌雄異株。 詳しくはサンショウソウの仲間(会員のみ)へ。 【ひとくちメモ】サンショウソウの仲間は種によって雌雄異株のものと同株のものがある。オオサンショウソウは同株とされる。しかし,雌花だけをつける個体が相当数あり,雄花をつける個体は雌花の数がごく少ない。これにより,不完全な雌雄異株と考えることもできる。 |
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