ホーム > 野の花365日 > その日の花 3月10日 スズメノカタビラ
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スズメノカタビラ (イネ科) Poa annua |
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初夏以降になるとイネ科の雑草は種類がグンと増えるが,早春から穂を出しているものは意外に多くない。「雑草」と書いたが,もちろん何をもって雑草とするか定かではない。スズメノカタビラの耳に届いたら,「差別用語」と糾弾されるかもしれない。 しかし,これほどまでに「雑草」のイメージにぴったりくる植物も多くない。誰もが学校や庭の草むしりで引っこ抜いたことがあるだろう。根はまあまあよく張っているが,にぎって強く引っ張れば,たいてい根からきれいに抜ける。草取りの対象としては,まずまずやりがい?のある雑草ではないだろうか。 カメラを向けようなどとは考えたこともない人も多いだろうが,意外に被写体としては秀逸である。今度は抜いてしまう前に,ちょっと撮影を試してみることをおすすめする。 【見わけ方】帰化種としてツルスズメノカタビラがあげられることが多いが,これをめぐってはさまざまな見解があり,すっきりしているとはいい難い。 まず,耕地に限って生え夏に枯死する越年草的性質の強いものは,在来のスズメノカタビラと考えられる。舗道や中央分離帯などに生えているものは,これとは違い多年草的な傾向が強く,帰化品。そして,その一系で茎が匍匐するものをツルスズメノカタビラと考えるのが,代表的な見解だが,ほかにも観察者によってさまざまな見解がある。 この写真のものは自生環境などから在来のスズメノカタビラと考えられるが,確信はない。 【ひとくちメモ】スズメノカタビラはナガハグサ属(Poa属)で,イネ科の中でももっとも識別が難しい属のひとつ。イチゴツナギやナガハグサなどがこの属に入る。 |
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