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3月11日[その日の暦]

 
   エヒメアヤメ (アヤメ科) Iris rossii

小型のかわいらしいアヤメだ。
日本のアヤメの仲間はほとんどが湿り気のある草原や湿地に生えるが,このエヒメアヤメは乾いた草地に生える種である。分布は中国北部から朝鮮半島,そして日本では本州西部と四国,九州に限られている。
多くの草原性植物と同じように,いわゆる満鮮要素で,中国北部から朝鮮半島との共通種だ。
こういった植物の多くと同じように,日本での分布は西日本に限られ,そして点々と隔離的に分布しているに過ぎない。
氷期に分布を広げたものが,西日本各地にとり残されたのだろう。東日本に分布が残っていないのは,氷期には東日本はエヒメアヤメにとって寒冷すぎたこと,氷期から現代までの間に,西日本で大規模な火山噴火が2度あり,氷期が終わってからもしばらく草原的な植生が保たれていたこと,などが考えられる。

【見わけ方】
大陸には似たような小型で草原性のアヤメが何種類もある。沿海州ではIris unifloraがよく似た種だ。

【ひとくちメモ】
エヒメアヤメは,牧野富太郎がIris iyoanaという学名で記載の準備をしていたが,発表前に中国北部ですでに記載されていたIris rossiiと同じ物であることがわかり,幻の学名になった。和名はタレユエソウという別名がある。
2000年5月12日 大分県湯布院町
ペンタックスZ-1P タムロンSP90mmF2.8 f5.6 絞り優先オート(-0.3) フジクローム・プロビア100


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