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3月17日[その日の暦]

 
   ムサシアブミ (サトイモ科) Arisaema ringens

とても個性の強い植物である。見分けの難しいテンナンショウの仲間だが,ほかのものと見まちがえることはないだろう。なにより葉が極端に大きくてつやつやしているのがよくめだつ。
海岸に生えるという印象があるが,九州南部へ行くとかなりの山の中で見かけることもある。北へ行くほど海岸から離れたところで見なくなるのは,霜が降りるような冷え込みが苦手なせいなのかもしれない。
被写体としては意外におもしろく,適度な大きさがあるのでさまざまなねらい方が考えられる。地面スレスレのローアングルで広角レンズの絞りを開けてねらってみた。
宮崎の海岸林の雰囲気がよく出たと,自分では悦にいった一枚だが,皆さんはどうご覧になるだろうか。

【見わけ方】
両手を万歳したように花序よりも高くもたげる2枚の3小葉が大きな識別ポイント。3小葉になるテンナンショウは,西日本のブナ帯にミツバテンナンショウがあるが,小型で葉は花序より低い位置に来る。仏炎苞は茶褐色。オオハンゲは仏炎苞が緑色で糸状の付属帯がある。花期は夏

【ひとくちメモ】
和名は武蔵鐙で,仏炎苞を馬に乗るときに足にかける鐙に例えたもの。武蔵の国(今の東京都)には自生はないが,武蔵は鐙の名産地で武蔵鐙は質のよい鐙の代名詞だった。早くも平安時代「伊勢物語」に,武蔵鐙という言葉が出てくる。
2003年4月6日 宮崎県日向市
キャノンEOS-1Ds  EF TS-E24mmF3.5L f4.56 絞り優先オート(+ 1)  1/ 16秒 ISO100 AWB sRGB


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