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3月16日[その日の暦]

 
   ミツマタ (ジンチョウゲ科) Edgeworthia chrysantha

早春にふさわしい渋い花である。いかにも日本的な色彩をもつ植物だと感じるが,実は日本にもともと自生していた植物ではない。
和紙の原料として中国からもたらされ,現在では主に観賞用に植えられたり,山林に帰化状態で生えていることも多い。外来とはいえ,南アメリカとかヨーロッパとかの遠方ではなく,やはり東洋であることを聞くと,なんとなくわけもなく安心する。
長いことこの花の気に入った写真が撮れずにいたが,たまたま通りかかった丹沢の峠で,道路から対岸のはるか下の渓谷に雰囲気のいい一本を見つけた。清流の中に三脚をたてての撮影だが,早春の川の水は,まだ身を切るように冷たかった。

【見わけ方】
ジンチョウゲ科の植物だが,日本にはほかに見誤るような似たものはない。

【ひとくちメモ】
和紙の原料としてはこのミツマタがもっともポピュラー。良質のものが採れるだけでなく栽培が容易である点もそのメリットだろう。ほかにコウゾもよく使われる。ガンピは高級和紙として知られるが,栽培が困難なため,質はいいがコストがかかると聞く。
2003年4月2日 神奈川県秦野市
キャノンEOS-1Ds  EF TS-E24mmF3.5L f16 絞り優先オート(-0.33)  1/ 3秒 ISO100 AWB sRGB


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