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5月27日[その日の暦]

 
   レブンアツモリソウ (ラン科) Cypripedium macranthum var. rebunense

礼文島に住む友人で写真家の杣田美野里さんから「あつもりそうの涙」という写真集が届いた。杣田さんの書く文にはいつも心の奥底を打たれるような気がするが,今回もそうだった。


「培養の成功でレブンアツモリソウは「絶滅」の心配はなくなったかもしれません。
でもこの花が本来持っている「野生の誇り」は,花壇で育ったものに感じることはできません。
また自生のあつもり草を保護柵とパトロールで盗掘から守ったとしても,花たちが「囚われの身」であることに変わりはありません。
「野にあるものは,野にあるままに」。
そんな自然観が一人一人の心に根付く日が,
いつか来ると私は信じたいと思います。


あつもり草たちへ
自由に咲かせてあげられなくて
ごめんなさい。」

(杣田美野里著「あつもり草の涙」あとがきより)


この小文に私たちが野草とどうつきあっていくべきか,その答えが凝縮しているような気がした。高山植物と人々の生活が近接し,さらに観光という要素が渦を巻く中で,10年来礼文の自然を見つめつづけてきた杣田さんの言葉は重い。

【見わけ方】
レブンアツモリソウはアツモリソウの変種で礼文島にだけ知られる。アツモリソウは花が紅紫色だが,レブンアツモリソウは白からクリーム色。ロシア沿海州方面には,アツモリソウの群落の中に,白色の花を咲かせる個体もある。

【ひとくちメモ】
あつもりそうの涙について詳しくは以下のリンクへ。

あつもり草の涙
1999年6月6日 北海道礼文島
ペンタックスZ-1P タムロンSP90mmF2.8 f5.6 絞り優先オート(-0.3) フジクローム・プロビア100


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