ホーム > 野の花365日 > その日の花 5月31日 オオバナノエンレイソウ
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オオバナノエンレイソウ (ユリ科) Trillium kamtschaticum |
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3という数字は西洋文明には特別な数字である。ご存じのとおりキリスト教の三位一体がその根拠である。 エンレイソウの仲間は,その構造が3という数字を基調にして成り立っている。葉が3枚。萼片が3枚,花弁が3枚,雌しべ3個,雄しべが6個である。日本風に言えば,「こんなありがたい花はない」のである。属名も3を意味するTrilliumとつけられている。 しかし,分布は北米や東アジアが主で,ヨーロッパにはない。特に北米には種類が多く,美しい種類がいろいろあるらしい。今年になって当サイトにオンタリオ州在住のTさんが,掲示板にときどき野草の写真を貼ってくださるが,今春も美しいTrilliumをいくつか見せてもらった。 オンタリオ州の州の花はTrilliumで,州のマークにもなっている。 日本の種は地味なものが多いが,このオオバナノエンレイソウはもっとも花弁が大きく北米の種と肩を並べるだけの華やかさがある。北海道では林の下に一面に群生していることもめずらしくない。 【見わけ方】シロバナエンレイソウは,花弁が小さく先端がとがる。しかし,オオバナノエンレイソウでもやせた個体はそっくりになることもある。確実な識別法は,雄しべの葯の長さ。オオバナノエンレイソウは葯が花糸よりはるかに長い。シロバナノエンレイソウは葯と花糸の長さがほぼ同じぐらい。 |
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