ホーム > 野の花365日 > その日の花 6月13日 Lilium tenuifolium
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Lilium tenuifolium |
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植物の学名はご存じのようにラテン語である。日本の植物を,日本人と話をするなら和名でも問題はないが,外国人とコミュニケーションをとるには,和名ではどうしようもない。 たとえば,タンポポやミズバショウという誰でも知っているような植物を,名前を使わずして人に説明するのに,どれだけ骨が折れるか考えてみれば明らかだろう そんなとき,学名がラテン語と決められていることに少し納得する。 しかし,同じ起源の言葉をしゃべっている西欧の人と比べると,まったく違う体系の言語に囲まれている私たち日本人には,なかなか覚えにくいのも事実である。 makinoi, japonica,yezoensisなど日本人の名前や国名,地名に由来していればイメージを持ちやすいが,純粋なラテン語起源の名前となると,呪文のように覚えるしかない。 しかし,いくつか覚えていくと同じような形容語に出くわす。「tenuifolium」もそのひとつである。あるとき,この名のついている植物はすべて葉が細いことに気がついた。tenuis=細い,folium=葉 である。 初めっから辞書を引けば簡単にわかることだが,思えば幼児はそのようにして言葉を覚えていくものだと,妙な感慨を持った。 【ひとくちメモ】Lilium tenuifoliumは沿海州の乾燥した草原などに生えるユリ。日本のコオニユリなどよりもひとまわり小型で葉が糸のように細い。 |
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