ホーム > 野の花365日 > その日の花 6月14日 ワタスゲ
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ワタスゲ (カヤツリグサ科) Eriophorum vaginatum |
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「ワタスゲの花が白く揺れている」 このような表現がまちがいだと,少し植物に詳しい人ならすぐ思うだろう。 「白いのは花ではなく果実である」と指摘するかもしれない。 しかし,正確にいうとこの白いものは果実そのものではない。果実の周辺についている花被片が伸びたものである。 そうなると,白い綿毛の状態は確かに花期を終え果実期を迎えてはいるが,花期を終えた花の一部であるともいえるのである。 冒頭の文を正確に言いなおすとすれば, 「ワタスゲの終わった花の一部=花被片が,白く揺れている」となるだろう。 もっとも,こんな言い方を詩人に強要するのはナンセンスきわまりない。花でも果実でもワタスゲの美しさにはさして変わりはない。 しかし,この綿毛に囲まれるように小さな果実があることを知れば,詩人でなくとも,そこにパラシュートに乗った小さな妖精が見えてくるにちがいない。 【見わけ方】北海道の高山に生えるエゾワタスゲは,長い地下匐枝がある。 サギスゲは,茎に複数の花序をつける。 |
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