ホーム > 野の花365日 > その日の花 7月12日 ウツボグサ
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ウツボグサ (シソ科) Prunella vulgaris ssp. asiatica |
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ウツボグサの靫とは,弓を入れる道具である。 この植物が花を終えて枯れた花序が,この靫に似ているというのが名の由来だと読んで,京都の時代祭りを訪ねたときに,ウツボグサの花序に似た靫を背負っている足軽を探して撮影させてもらった。拙著「野草のおぼえ方」にはこのときの写真が使われている。 ウツボグサの靫が「穂」すなわち花序の形に由来することは「大和本草」に書かれているのでそれに従った。ところが,靫にはさまざまな形がある。時代によってもちがいがあるようだ。むしろウツボグサの花序に似ているものを探すのに骨が折れた。 そして,あるものはまるでウツボグサの花序ではなくひとつの花のように袋状である。ひょっとしたら,花そのもの形が似ているというのが本当の名の由来かもしれない。 残念ながら,今のところこの件に関して深く追求した文献は知らない。日常生活からは完全にかけ離れてしまった道具に由来する植物名の由来を確かめるのはなかなか難しい。 【ひとくちメモ】別名は,夏に枯れると書いてカコソウ。低地では初夏の頃に咲き,盛夏には枯れた花序が目立つ。 |
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