ホーム > 野の花365日 > その日の花 1月19日 タネツケバナ
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タネツケバナ (アブラナ科) Cardamine flexuosa |
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種もみを水に漬ける頃に咲くのでこの名前があるという。 「野草のおぼえ方」という本のために,その種もみを水につける様子を撮影したいと思い,市の農政課に問い合わせた。その時に,現在では農家の仕事ではなく,農協でやっていることを知った。 時期としては,愛知県東部ではやはり3月中旬ごろだそうだ。まだ,春の花が少ない田の畦に,まさにタネツケバナが目立ち始める頃である。しかし,早いものでは真冬から咲いているものもあるし,写真のように霜にあたることもめずらしくない。 この仲間は山菜としても秀逸で,特に近縁のオオバタネツケバナはおいしく,地方によっては栽培,出荷もされている。タネツケバナはオオバタネツケバナには多少劣るが,春の香りを楽しむ程度なら十分山菜としても通用する味である。 【見わけ方】オオバタネツケバナ,オオケタネツケバナなど,よく似た種類がたくさんあるが,比較的普通に見られる種も一般の図鑑では掲載されていないことが多い。分類が難しく諸説があるからだ。最近では帰化種のミチタネツケバナも増えている。 オオバタネツケバナ タネツケバナに比べると頂小葉が側小葉に比べて著しく大きい。普通茎は無毛。タネツケバナが越年草なのに対して多年草。タネツケバナは田の縁などに多いが,オオバタネツケバナは谷川に多い。 オオケタネツケバナ=長角果が有毛。主に日本海側の地方に分布する。山地に多い。全体大型。 詳しくはタネツケバナの仲間(基本編)(会員のみ)へ。 【ひとくちメモ】タネツケバナの仲間はどれもさわやかな辛味があり,全草をサラダで食べてもおいしい。特にオオバタネツケバナは美味で,四国ではテイレギと呼ばれ栽培,出荷されている。松山市や新居浜市では天然記念物に指定されているとのことだが,野生の群落はほぼ全国で普通に見ることができる。タネツケバナよりも少し山間の谷川などに多く,田んぼの中に生えていることはまずない。 |
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