ホーム > 野の花365日 > その日の花 4月18日 Viola dactyloides
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Viola dactyloides |
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テントをはいだすと,モンゴリナラの落ち葉はうっすらと霜に覆われていた。5月はじめのロシア沿海州,ハンカ湖近くでキャンプしたときのことである。 霜の日の常で,日中は気温があがり,初夏のような陽気になった。モンゴリナラの疎林を歩くと,このViola dactyloidesが点々と咲き始めていた。 「テガタスミレ」という和名がある。中国東北部からロシアの沿海州にかけて生えるスミレだ。 日本で似たように葉の切れこむスミレといえば,主にエイザンスミレとヒゴスミレになるが,葉の切れこみ方は基本的に3裂だ。一見5裂に見えるヒゴスミレもよく見ると基部は3裂している。 このViola dactyloidesは,基部から完全に5裂し,しかも裂片はほとんど切れこまない。 花の時期はやっと葉が展開したばかりで,なかなか5裂したようすを表現するのは難しい。 異国的なスミレを見ると,やはり心躍る。 【見わけ方】沿海州から中国にかけては,このほかViola dessectaマンシュウスミレがある。葉の切れこみはヒゴスミレに近いが,やはり乾燥地帯の種で,Viola dactyloidesと同じように内陸地帯の疎林や草原で見かける。 |
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